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電話応対の敬語

ある企業が社会人に対して行ったアンケートでは、電話応対はビジネスマナーの中で一番難しいという結果になっています。さらに、しっかりした電話応対ができないと、社会人として失格だと考える人が7割に上っていました。

このように、電話応対は社会人のリテラシーとして身につけていなければならないものだということがわかると思います。

電話応対が難しい理由のひとつが「敬語」にあるといってもいいでしょう。

電話応対では声しか相手に伝わらないため、言葉遣いが何よりも大切になります。ビジネス上の会話なので、くだけた表現や、馴れ馴れしい表現はいうまでもなくマナー違反ですし、少なくとも、敬語を間違いなく使えるようにしておく必要があります。

今回は、敬語について、よく理解してみましょう。敬語、敬語といいますが、似たようなものに丁寧語、謙譲語、尊敬語など、いろいろなものあります。

実は、尊敬語も謙譲語も丁寧語も敬語の一種なのです。そもそも、敬語には大きく3種類あるといわれています。

電話応対の尊敬語


電話応対の尊敬語は、「話している相手」または「話している相手に関係のある人・持ち物・状態・動作」を敬う表現をいいます。

尊敬語は、以下のようなルールで使うようにしましょう。

○動詞に「れる」「られる」をつける
 :「重役会議で部長が議長を務められる」

○「お・ご(御)」を頭につける
 :「ご子息はいかがされていますか」

○「様」などを敬いの接尾語をつける
 :「○○様はいかがでしょうか」

○「お・ご」+動詞+「なる・なさる・くださる」
 :「ご来店くださいますでしょうか」
  「ご検討くださる」
  「おタバコはお吸いになられますか」

○定型表現
 :「おっしゃる」
  「いらっしゃる」
  「ご覧になる」

謙譲語


電話応対の謙譲語は、「自分」または「自分に関係のある人・持ち物・状態・動作」を低く表現することで、相対的に相手を敬うことになる表現です。

ただし、自分に関係するものでも、話している相手に影響しない動作には、使うことはありません。

謙譲語の表現ルールは次のようなものです。

○「お・ご」+動詞+「する・いたす・いただく」
 :「ご案内いたします」
  「お待ちいただくことになります」

○動詞+「いただく・させていただく」
 :「お許しいただきたいのですが」

○定型表現
 :「拝見いたします」
  「参ります」

電話応対の丁寧語


電話応対の丁寧語は「言い回しを丁寧にすることで、話している相手に尊敬の気持ちを表すため」の表現です。

また、尊敬語、謙譲語もそれ単独というよりは、丁寧語と与わせて使うことが普通で、敬語の基本だといえるでしょう。

さらに、丁寧語だけを使う場合、軽い敬意を表すことができます。尊敬語ではあまりに大げさである場合に使うといいでしょう。

丁寧語の基本形は、「です」「ます」「ございます」という3つです。丁寧語のルールは以下のようなものです。

○「です・ます・ございます」を語尾につける
:「○○社の△△でございます」
 「ご用命のお品でございます」

○「お・ご」を頭につける
:「お車代」